ハイリスク社会

ハイリスク社会とは収入や生活環境格に生じた格差によって、安定が保証されることがなく、生活もプライバシーも危険にさらされる可能性が高い、リスクの高い社会のことをいいます。戦後の日本は、持続的な経済発展により中流社会を保ってきました。これは、企業の終身雇用、年功上列の賃金体系など、ある程度将来の収入やライフスタイルが予測でき、安定的な人生設計をすることができた「ローリスク社会」だったからです。長引く経済不況から雇用形態に変化が出始め、能力主義により年功序列は崩れて失業者も増大するなど、企業内での賃金格差が拡大する傾向にあります。この格差が生まれてしま状況を「ハイリスク社会」とよびます。所得などの格差だけに限らず、他にもインフラが整っている地域とそうでない地域、病院施設が整っている地域と整っていない地域、十分な教育が受けられる地域とそうでない地域など、生活環境の全般にわたって格差が生まれ、社会問題にもなっています。